PA レポート

マイケル・ジャクソン
(東京ドーム)

  その3    


マイケル・ジャクソンの今回のツアーで1年半に渡ってチーフ・エンジニアを
務めているケヴィン・エルソン。
足元にあるボリューム・ペダルで、SDL−5に送る超低音域の信号のレベル
調整ができるようになっている。
ちなみに、このポーズは私が撮影するからと頼んだ、所謂ヤラセというヤツ
です。(^^;;


彼が監視しているのはdbxのRTA−1からのデータを表示する外付けの
カラー・モニターだ。
なんと、20Hzのアベレージのレベルが2kHzと同じだ。
超低音域の信号の場合、アベレージ・レベルもピーク・レベルもそれほど
変わらないが、ピーク・レベルでの比較でも、8kHzと同等以上の音圧が
得られている。たとえ観客が会場を埋め尽くしたとしても、人体が吸音
する周波数はせいぜい80Hzぐらいまでのはずだから、超低音の遠達性
を考慮すると、本番では超低音が更に際立って聞こえるはずだということ
は容易に想像できた。
50、63Hzに至っては、ピーク・レベルが1kHzより10dB以上大きいという
凄まじい低音だった。
(実際、すごかったという感想を多くのディスコ関係者からお聞きしました。)


SDL−5を鳴らしていない時は、20/25/30Hzのレベルは急カーブで
落ち込んでいるのがモニターの画面からもお判りいただけると思いますが
その差は歴然としていました。ただし、超低音域の信号は、もはや音では
ないようです。
ケヴィンの右足元にある白っぽい箱のような物のがボリューム・ペダルです。