JBL LE15A

JBLのLE15AはJames B. Lansingの死後、13年ほど経ってから発売されましたが、当時としては
画期的な設計思想の基に設計されていました。
LE15A以前のウーファーは比較的軽いコーン紙を強力な磁気回路で駆動することによって、
100dB/W/mを超すような高能率なユニットが多かったのですが、LE15Aでは当時としてはかなり
重めのコーン紙を使い、foをかなり低く設定し、比較的小さなエンクロージャーでも重低音が出る
ようにしました。そのトレードオフとして能率が約6dB(1/4)ほど落ちましたが、パワーアンプの出力
が2〜3Wしかなかった時代から、ソリッドステート化によって、数十〜数百Wといったハイパワー
アンプが一般的になりつつあった時代ですので、能率が低いと言うことはデメリットとは思われなく
なったということもあり、オーディオマニアの間でも比較的すんなり受け入れられたようです。
能率が低いといっても、38cmということで94dB/W/mという能率が得られ、より高能率のD130より
一般家庭向きかもしれません。

残念なことに発泡ウレタン系ロールエッジの寿命が短く、10年も経たないうちにボロボロになって
しまうことが多いため、現時点では発売当初の特性を維持しているユニットは皆無のようです。



今回、エンクロージャーの製作をご依頼のユニットもオリジナルの発泡ウレタン系ロールエッジではなく
布製の2重ロールエッジの2215のコーン紙に張り替えられていました。



オーディオショップに張り替えを依頼されたということでしたが、張り替えた人が素人のようで、リード線の
長さを調整していないため、たるんでコーン紙やフレームにぶつかっているようです。


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