エンジニア の 独り言

コーン紙について


EMILAR EL15D


RADIAN 2215B

画像(上)の EMILAR EL15D と画像(下)の RADIAN 2215B の違いは何で
しょうか?
どちらも、同心円状の補強リブ無しのコーン紙を採用した高能率タイプで、採用
しているコーン紙のメーカーも同じで、ボイスコイル径も10cmです。
2215B の方がセンターキャップの直径が10cmより大きいことは一目瞭然ですが、
ウーファーの設計思想に、見た目以上の違いがあります。
それはコーン紙の深さです。
EL15DJBLと同じ浅めのコーン紙を採用しており、2215Bの方はEVや昔の
ALTECのような深めのコーン紙を採用しています。
空気を押したり引いたりして音波を発生させる事だけを考えた場合、平面に近い
JBLタイプの浅めのコーン紙は能率や特性面などで有利です。
(実際に平面スピーカーを開発した日本のメーカーもあるくらいですから、理論的
には優れています。)
しかし、新しい設計である 2215B が、なぜ敢えて深いコーン紙を採用したので
しょうか。理由はコーン紙の強度です。浅いコーン紙は大振幅に対する強度が
不足してしまうため、ハイパワー時の歪み率や超低音域の特性が悪化しやすく、
500Wを越えるような大入力や、デジタル録音になって初めて可能になった超低音
の再生に対応させるためには、深いコーン紙の方が有利になってしまいます。
EMILARの社長の Algis Renkus も、どちらを取るかで迷っていましたが、結局
深めのコーン紙を採用する方を選択し、その設計思想はRADIANに引き継がれて
います。


RADIAN 5215B

深めのコーン紙のメリットを最大限にいかしたのが、この同軸型スピーカーです。
コーン紙をホーンの延長として利用するには、この深めのコーン紙が最適な形状で
クロスオーバー周波数を下げることに成功しています。


RADIAN 2216

2215Bと同様に深めのコーン紙のメリットを更に追求したのが、このウーファーです。
トップクラスのスピーカーメーカーが採用している、この同心円状に補強リブがある
コーン紙は、大振幅でもコーン紙の歪みを最小に抑える事に成功していますが、
その質量が最低共振周波数を下げる役目も果たしており、強力な磁気回路との
組み合わせで、極めて高いパフォーマンスを発揮しています。