オーディオ・マニアの方から、自分でもダイアフラムの交換はできるでしょうかというご質問を良くいただきますので、ここで解説させていただきます。このページをご覧になって、自分でもできるかどうか、御判断下さい。 |
まず、ドライバー後部のカバーを外します。 | ||
次に、リード線をダイアフラムから外します。 900シリーズでは圧着端子になっていますが、 800シリーズではネジ止めになっています。 |
新しいモデルではバックキャップが つくようになりましたが、要領は同じです。 |
RADIANの場合、このバック・カバーが902-8Tのバックキャップの働きも兼ねていますので、非常に合理的な設計になっています。 |
288等、1.4インチスロートのドライバーも同じです。 |
この手のダイアフラムで飛んでしまうのは、このジャンパー線の部分が多いようです。 |
ダイアフラムを固定している3本のネジを外します。 ダイアフラムは2本のガイドピンで位置決めがされていますので、真上にそっと引き上げて外します。 |
ギャップを掃除機で掃除してから、更にガム・テープなどで金属のゴミや汚れなどを取ってきれいにします。 懐中電灯などを使うと、ゴミを発見しやすくなります。 |
初期のドライバーでは、このガイドピンが単なる棒になっていて、固定されていますが、中期以降になりますと、このガイドピンが微調整できるように改良されています。このネジを弛めれば中空のピンが少し動くようになります。 ドライバー側の精度さえ良ければ、そのまま何も調整する必要はありませんが、少しでもビリつくようでしたら、センタリングを取り直す必要があります。 ちなみに左の写真のフェイズプラグはタンジェリン型ですが、詳しくは こちら をどうぞ。 |
このフェイズ・プラグはALTECの発明ではなく、左のフレームの[天才エンジニア] で触れた Lansing Manufacturing Company の284が Western Electric から 同心円型スリットのフェイズプラグは特許侵害だと訴えられてしまったため、設計変更を 余儀なくされた際、James B. Lansing 達によって、苦肉の策として生み出された形状 です。 ALTECが取った特許はこのタンジェリン型のフェイズ・プラグをプラスティックの一体成型 で作るという製造特許のみです。 ちなみに、同心円型スリットのフェイズプラグの発明自体 Western Electric のものでは なかったと、その後裁判で認められたため、 Lansing Manufacturing Company は晴れて同心円型スリットのフェイズプラグを採用できるようになりました。 タンジェリン型のフェイズ・プラグは同心円型と比較して中音域以下でロードがかかりにくく ホーンのカットオフ周波数よりかなり上の周波数までしか使い物にならないため、開発に 関わり、このタイプの製品をその後も製造していたRCAですら、早々に見切りを付けたよう です。高音域もそれほど伸びているわけではありませんし、使用帯域全体の変換効率の 面でもメリットはないように思われるのですが.... |