PAの現場で良く見かける大型システムの場合はプロセッサーを使用したマルチ チャンネル方式が多いようですが、はたして経済的と言えるでしょうか? |
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一般的にはこのクラスの規模のPAが多いようですが、デジタル・プロセッサー型ですと 音質的にはカスタム・ネットワークのレベルに達していないので、同じレベルに近づけ ようとした場合、高品質のアナログのパラメトリック・イコライザーが必要になりますので 更に差は広がります。 また、Highのユニットにはせいぜい10〜20W程度しか入らないため、再生できる最大 音圧はほとんど変わりがありませんし、せっかくのパワーを活用できないパワーアンプを 余分に揃えなければいけないというのは、合理的とは言えません。。 |
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普通の規模のPAですとステージの両袖にアンプを設置するのが一般的で、更に ホーン・イコライザー機能を組み込んだアナログ・プロセッサーの場合、アンプの 出力をセンシングする必要がありますので、モノラルのプロセッサーが2台必要に なります。 |
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更に規模が大きくなった場合は、ステージに近い場所とロング・スローでカバーする 遠くの場所ではイコライジングを変える必要があり、最も単純なシステムでも4台は アナログ・プロセッサーが必要になります。 この規模になっても、ネットワーク方式の方が安くつく上、スピーカー・アレイの外側 になるにつれてディレイをかけて、スタッキングをやり直さないでも指向特性を変更 できるシステムを構築する場合は、細かな調整をする上で、ネットワーク式の方が 有利です。 また、普通のPA会社の場合、数カ所を掛け持ちするということも良くあるはずですが そのような場合でも、プロセッサーの台数を気にせず、それぞれの会場に合わせて 単純にスピーカー・システムやパワーアンプを割り振る事ができますので、無駄が 少なくなります。 この他にも、アンプの台数が増えることにより、システム全体の容積や重量が増えて しまうため、輸送コストの上昇や、アンプの保守管理が大変になります。 更に、細かなことですが、2ウェイ用のスピーカー・ケーブルは単価も高くつく上、 チャンネル間のクロストークも無視できず、音が濁りますので、ネットワーク式と同じ 音質をマルチ・チャンネル式で得ようとしますと、かなりのトラブルに直面してしまう 可能性が高くなるでしょう。 それでも、気分的にマルチの方がシステムの変更の自由度が大きいと思われる方も いらっしゃるかもしれませんが、そのような方は、まずステージモニターをネットワーク 式にしてみてはいかがでしょうか。 ステージモニターだけはネットワーク式にされている方も多いと思いますが、汎用の ネットワークを使用されている場合は、是非RADIANのシステムと聴き比べてみて 下さい。ユニット間のつながりの良さが、どれだけのメリットをもたらすかを実感して いただけるはずです。 |