エンジニア の 独り言

ALTEC 288/291/290/299用ダイアフラム

RADIAN社では288用のダイヤフラムは製造していないのでしょうか?
という、ご質問が今でも時々ございますが、残念ながらRADIANでは今のところ
製造しておりません。

だいぶ前、RADIANの社長やセールス・マネージャーにも相談したことがあったの
ですが、日本の市場にはまだALTECの1.4インチスロートのドライバーが出回って
いるのかと、逆に驚かれてしまいました。

それでも、なんとか作れないかと訊いたところ、ダイアフラムを作る治具が約1万ドル
かかり、単純に1,000枚製作するとしたら、取り付けリングの製作やら、ボイスコイル
の手配などで、価格は千ドルを下らない計算になってしまうそうです。

いくら日本でALTECの人気が未だに高いとはいえ、年間に1,000枚以上の需要が
あるとも思えませんし、高級ドライバーの主流が2インチスロートに移ってしまった今
の状況では、とてもペイしないということです。JBLの2482をコピーしたTADの4001
用のダイアフラムですら、通常の倍以上のコストがかかってしまうのですから、いたし
かたないのかもしれません。RADIANのドライバーにはALTECと同じ3インチ径の
ダイアフラムを採用している物もありますが、ダイアフラムの曲率が大幅に違うため
流用はできません。

インターネットで調べますと、ALTECのダイアフラムをコピーした製品が出回って
いるようですが、50年以上昔のオリジナルの基本設計のままでは、エッジやリード線
の金属疲労に対する問題が何も解決されていませんので、立ち上がりの鋭い音が
そのまま録音されている、現在のCDなどのソース向きではありません。

そこでRADIANの社長からの提案ですが、RADIANの1.4インチ・スロートの
ドライバーにALTECと同じ3本ボルトでとめるためのネジ山を切り、ALTEC用の
ホーンに取り付けられるように改良する準備をしております。価格的にも3インチ径
のダイアフラムを作るより安く上がりますので、ALTECの資産を活かして使いたい
方にはお薦めです。

それでも、たとえいくらかかっても、音の良いRADIAN製のALTEC用のダイアフラム
でALTECのサウンドを楽しみたいという方が、もしいらっしゃいましたら、ご連絡下さい。
経費を全て御負担していただけるようでしたら、全世界での独占販売権と共に、
ダイアフラムを製造する用意がございます。