ご自分でダイアフラムを交換される場合の注意点

PAなど業務用の使用が多いドライバーの場合、現場でもねじ回し一つで振動板が交換できるということが必須条件ですので、誰でも簡単に交換できるように設計されています。
RADIANEMILARの場合、バックキャップ自体がダイアフラムを押さえつけるように合理的に設計されていますので、バックキャップをとめているネジを外せば、すぐダイアフラムを交換することができますが、JBLやALTECの場合、ダイアフラムも更にネジ止めするように設計されていますので、多少、注意が必要です。取り外しの時はともかく、取り付けの際、不用意にねじ回しの先をギャップ部分に近づけてしまいますと、ねじ回しの先が磁力で引き寄せられ、ダイアフラムにぶつかってしまうことがあります。小さな凹み程度でしたら特性や音質には悪影響を及ぼすことはありませんが、精神衛生上、好ましいことではありません。
取り付けの際は必ずドライバーの先にも手をそえて、ネジを回すように心がけてください、

EMILARRADIANでは初めから溝にダイアフラムの底部リングを落とし込むようにしてセンタリングが出るように設計されていましたが、JBLなどでは最近になってやっとRADIANの真似をするようになったものの、以前の製品ではガイドピンを使ってセンタリングを出すようになっています。ガイドピンの場合、誤差が結構あり、無調整でセンタリングが出ない場合があります。できれば正弦波をスィープさせてあらゆる周波数でビリ付きがないことを確かめていただいた方が良いのですが、発信器をお持ちでない場合は人の声(ソプラノなど)でチェックしてみてください。

一部のドライバーではガイドピンが少し太めになっているようで、装着は何とかできるものの非常に固くはまってしまい、無理矢理取り外すそうとするとガイドピンに対応する穴があけてある金属製のプレートと黒いドーナッツ状のプラスティック製のリングの接着が剥がれてしまうことがあります。ALTECの場合は特に金属のプレートがプラスティックのリングより大きいため、リングを持って無理矢理取り外そうとすると、剥がれてしまうことがあるようです。一般的に取り外すのはダイアフラムがNGになってしまった場合がほとんどのはずですので、壊れても問題はないと思いますが、一旦外してまた付け直されるご予定の場合は、慎重にお取り外しください。湿気などでさび付いてしまうケースもありますが、ドライバー本体とプレートがくっついてしまっているような場合は、隙間にカッターナイフのような薄い刃を差し込み、少しずつ浮かすようにしてみてください。この部分が剥がれましても、保証の対象にはなりませんのでご注意ください。

説明書や解説書のような物をご希望の方がいらっしゃいますが、交換に関しては、慣れていただくしかございませんので、一度外したダイアフラムを再度付け直す練習をしてから、本番に望んでいただいた方が良いと思います。

通常は、発信器無しでも、問題なく取り付けられるはずです。

極性
RADIANのダイアフラムの極性は、ウーファーと同相になるよう、全て+(のターミナルにの電圧をかけると、フェイズ・プラグの方へ動くように設計されており、ホーンの開口部から見ますと、手前に飛び出すような動きになります。
このためオリジナルとはの表示が逆になる場合もありますが、リード線をクロスさせてバックキャップのターミナルの極性と無理矢理合わせず、取り付けられる向きのまま配線してください。メーカーによってはのターミナルにの電圧をかけるとフェイズ・プラグから離れるように設計されている場合もあり、更にロットによっては、ネットワークで逆相接続しなければいけない場合、ターミナルの極性をユニット単体で販売している製品とは逆の表示にしている事もありますので、ご確認下さい。
ちなみにJBLの場合は、のターミナルにの電圧をかけると磁気回路の方に入り込む方向へ動くように設計されており、ウーファーの場合は前から見ますと引っ込むような動きになりますが、ドライバーの場合は逆に前に出てくるような動きになります。しかし、これも、反対になっている場合もありますので、厳密には位相をチェックしていただいた方が無難です。
左右で逆相のまま聴いていらっしゃる方もおりましたので、位相のつながりの悪いネットワークの場合、気がつかないで聴いていることもあるはずです。